『わらの犬』

最近あまり映画を見られるようなパワーがなかったんだけど、
どうにか力を振り絞り、Netflixで久々にペキンパーの『わらの犬』を見る。

ダスティン・ホフマンの理解できないようで理解できる絶妙な言動や表情。
見ていて笑ってしまうような怒濤の展開はやっぱり最高だ。
最後彼が向かう場所がどこなのか、想像すると本当に元気がでる。でた。

そういえばリメイク版があるらしいけど、
やっぱり女性が強い存在になってたりするんだろうか……。
時代の変化でどう脚色されてるのか若干の興味はあるなぁ。

『ブラックパンサー』

最近は自分で見る映画を厳選していて、
「この映画は自分に合わなさそうだから見るのをやめておこう」
「予告やポスターが気にくわなかったからやめよう」
など、多分映画を無条件で好きな人に対しては駄目なやつだな、と思うような映画の選び方をしている。
見てガッカリする映画を見るなら、好きな名作を見て研究する方が有意義な感じもするからっていうのもある。
自分の頭が固くなってきてるのも原因なので、あまりいいことだとは思ってないけど、これが自分の中では割と当たる(気がする)。

でも、今回の『ブラックパンサー』は最低でも普通に楽しめる映画だと思ってたら、良い悪い以前に、自分が嫌いなタイプの映画だった。
というのが今回の感想。

以下、ネタバレといえばネタバレもある感想。


『ブラックパンサー』
この作品の1番の問題は、ワカンダ国が現在に至るまで国家として存続できたとは思えないところ。
今回の話、オーバーテクノロジーが諸刃の刃で国の歪みや恨みで危機に瀕するわけだけど、
こんな出来事が今まで一度として起きてこなかったとは思えない。
この映画の内容でこんなことになっているのであれば、残念ながらこの国は内乱で既に滅びてると思う。

もう一つは敵役のマイケル・B・ジョーダン。
とても魅力的なキャラクターなのだけど、ストーリーの都合なのか王位を得た瞬間にキャラクターが急変する。
ただ、ストーリーの薄い主人公と違い、マイケル・B・ジョーダンのバックボーンはきちんと描かれているので、どうしてもマイケル・B・ジョーダンを応援してしまうのが作品として辛いところ。

こっから先はもう楽しくなくて見ていたので完全に揚げ足とりなんだけど、
主人公のエムバクの説得、「過去のことはおいといて協力しないと国が滅ぶ」
この台詞で数世紀虐げられた部族が手を貸すだろうかってところとか。
儀式の戦いで負けたのに、まだ負けてないと言い出す主人公とか。
ウカビくんの青チームが盾で赤チームを囲い込んでるのに対し、
赤チームが刃物でバッタバッタ青チームをなぎ払うシーンも笑ってしまった。

このワカンダ国という汚い国の最終的な答えの提示が、人類に技術を提供してやるというのがなんとも。


マイケル・B・ジョーダンが夕陽を見たときの台詞。
あそこは「汚い景色だ」と言ってほしかったなぁ。


人種に対する考え方とか相容れないなぁと思うけど、
これは国が違うからどうしようもないんだろうか。
でも『アメリカンヒストリーX』なんか滅茶苦茶感動したんだけどなぁ……。

あ、クロウ役のアンディ・サーキスは楽しそうでとてもよかった。


冷静な感想を書けなさそうだったので数日おいたけど、やっぱりまとまらなかったな。
まぁ、日記帳だしこんなところで。

『15時17分、パリ行き』

バラックパンサーとの乗り継ぎが上手く行かない感じだったので、
ブラパンを明日にまわして、パリ行きへ。

御年87歳。
静かな映像からのMALPASOFILMのロゴ。
これを見るだけで安心できる。
新作として、新鮮な感覚で、映画館で、あと何本作品を見られるだろうか。
グラントリノにも寄稿していた新藤兼人さんは99歳まで監督をやりきったわけだけど、
そこまでを考えてもあと12年……。
一生イーストウッドの新作が見たいと切に思える、今作もそんな映画でした。


『15時17分、パリ行き』
作品の売りにもなっている本人が本人を演じるという試み。
これが大成功しているという点で、もう今作は勝ちだと思う。

本人が演じるにあたって、作り手がかなり気を遣ってる
(本人が演じやすい環境作を作っている)ことが本当にすごい。
これは映像を見ればわかるんだけど、実際にやるのは並大抵の力ではできないと思う。

過剰なほど普通の人々を映したあと、急に起きる非日常。
それが起きたときの反応や動き、ディテール。
今までの積み重ねで、見ているととても不思議な気分になる。

ラストの実際の映像なのか撮影した映像なのか、
わかりにくくしているシーンがとても面白い。

地味な映画であることは確かなんだけど、
それでもきっちり映画として面白く仕上げるイーストウッドの手腕は見事だと思うし、
こういう映画が大好きだ。

『グレイテスト・ショーマン』

初星宴舞の感想を書こうとずっと思ってたんだけど、
あまりに良すぎて書くことがまったく思い浮かばなくなってしまった。
どこかでタイミングがあれば書きます。

本題ですが、ミュージカル映画好き、ヒュージャックマン好きとして、
外せない映画なので初日から足を運びました。

制作が決まったころから楽しみにしてた『ダークタワー』はなんだか
モチベーションがガッツリ下がってしまって見に行けていません。
レンタルで出たら借りてみようかな……。

ネタバレのある感想。

『グレイテスト・ショーマン』
エンターテインメント映画としては及第点の面白さがあります。
ナイーブな問題も綺麗に避けているし、ミュージカルパートは飽きられないように
数多くの工夫がされています。
この部分はまさにミュージカル映画の醍醐味なので、見ていて気持ちが良かったです。
若くて可愛いイメージのあったザックエフロンも貫禄が出ていて、
ヒュージャックマンと2人、バーで歌うシーンは鳥肌が立ちました。

ただ、先程も書いたとおり、この映画はナイーブな問題を上手く避けていて
全体的に綺麗なストーリーに仕上がっています。
それは画の作りなどを見ても感じ取れるのですが、
これがバーナムという男を画く点において、正解だったのかどうか。
というと若干の疑問があります。

果たして本当にバーナムには、
最初の時点から「特別な存在(劇中の表現を忘れた)」に対する理解があったのでしょうか。
映画の中では辛い時期にリンゴをもらったりと露骨なフォローが描かれていて、
作り手の主張はハッキリしています。

この辺りをマイルドに表現しているので、
後半の展開、感動が弱くなってる印象を受けます。
途中サーカスの仲間を避けたのも、偏見や差別からではないように感じ取れるので、
「アンタはお金儲けのために……」という台詞もあまりピンときません。

コメディで、大衆向けの作品であるのはわかっているのですが、
最初は、金儲に走っていて差別に気づいていない男と正直に描いていれば、
彼が変わったときに大きな感動があったような気がします。
(そうすると家族の絆のような展開が難しくなりますが……)

『キングスマン:ゴールデンサークル』

滅茶苦茶楽しみにしていたので、初日から映画館へ。
ネタバレあります。


『キングスマン:ゴールデンサークル』
キックアス2を他の監督に任せてつまらなくなったことに責任を感じ、
今回は自分で撮ると決意して挑んだってどこかで読んだけど……。
その心意気は心意気だけで終わってしまった気がする。

いや、決してつまらないわけじゃないけど
前作以上の驚きはなかったな、と。

コメディーに終始するのはいいんだけど、
展開のご都合がそれで許されるかと言えば違う気がする。
コリンファースの復活については映画的嘘でいいけど、
それなら他の部分(距離の移動、人物の動機や感情など)はもっとリアルに描くべきだと思う。
マシュー・ボーンはそういうところ上手だと思っていたんだけど、ちょっと見方が変わってしまう。
その辺りに付随して、いつもの音楽的センスも感じられなかった。

悪役であるポピーの描き方は面白かったと思うし、
前作の無料スマホに相当する部分が麻薬なのも面白いと思うけど、
あの症状のタイムリミットが、説明はあったにしろ実際は良く分からないので、
どれほどギリギリな状況なのか把握しづらいのは敗因だったかなと。

いろいろなことが重なって映画に入り込めないので、
アクションシーンもテンション上がらなくて辛かった。

少なくとも前作のアレ以上の何かは絶対に必要だったと思う。
ステイツマン、特にチャニングテイタムやジェフブリッジスを使って
もっと面白くできたはず!

と思ったらステイツマンを扱ったスピンオフの計画があるらしい。
あっ……なるほど……。
今後のことを考えた上での全力でない作品だったとしたらとても残念だ。